釣り餌クリルとは、主にオキアミを原料にした付け餌・撒き餌・集魚材の総称です。赤橙色の見た目と海中へ広がるにおいによって魚を寄せやすく、アジ、サバ、チヌ、グレ、マダイなど幅広い魚種に使えます。
初心者が選ぶなら、針に付けやすい加工クリルか、生タイプのオキアミがおすすめです。サビキ釣りの撒き餌には小粒のアミエビ、フカセ釣りやカゴ釣りにはオキアミブロックというように、釣り方に合わせて選ぶことが重要です。
- 付け餌重視:粒がそろった加工クリル・生オキアミ
- 撒き餌重視:冷凍オキアミブロック・クリル配合の集魚材
- 手軽さ重視:常温保存できる乾燥品・ペースト・配合餌
- サビキ釣り:クリルよりも細かいアミエビが扱いやすい
なお、商品名に「クリル」と書かれていても、粒のままの餌とは限りません。粉末やエキスだけを配合した商品もあるため、購入時は用途と形状を確認しましょう。
釣り餌クリルとは?オキアミとの違い
クリルはオキアミ類を指す英語
クリル(krill)は、一般にオキアミ類を指す言葉です。釣り餌として販売されるクリルには、南極海などに生息するオキアミを冷凍、乾燥、粉末加工したものが多く使われています。
オキアミは見た目が小さなエビに似ていますが、分類上は一般的なエビと同じものではありません。魚にとっては自然界で口にする餌の一つであり、海釣りでは古くから付け餌や撒き餌として利用されています。
釣具店では「オキアミ」と表示されることが多い一方、配合餌、ルアー用集魚剤、ボイリーなどでは「クリル」「クリルエキス」「クリルミール」という名前がよく使われます。つまり、オキアミは原料そのもの、クリルは原料名や加工素材名として使われやすいと考えると分かりやすいでしょう。
アミエビとの違い
オキアミとアミエビは、釣具店で隣に並ぶことが多いものの別の餌です。一般にアミエビはオキアミより粒が小さく、サビキ釣りのカゴへ詰めやすいのが特徴です。
| 種類 | 主な特徴 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| クリル・オキアミ | 比較的大粒で針に付けやすい | フカセ、カゴ、海上釣り堀、付け餌 |
| アミエビ | 粒が細かくカゴから拡散しやすい | アジ・イワシ狙いのサビキ釣り |
| クリル粉末・エキス | 配合餌や人工餌へ混ぜやすい | 撒き餌の補助、練り餌、ルアー用集魚剤 |
| 乾燥クリル | 軽量で保存しやすい | 配合餌への追加、淡水魚用の餌 |
アジのサビキ釣りならアミエビ、グレやチヌのフカセ釣りならオキアミという選び方が基本です。ただし、地域やメーカーによって商品名が異なるため、名称だけでなく中身の粒径と用途表示を確認してください。
クリルが釣り餌として有効な理由と対象魚
におい・色・動きで魚に気付かせる
クリルが使いやすい理由は、魚へ複数の刺激を与えられるからです。海中に投入すると、体液や細かな成分が潮へ広がります。赤色から橙色の粒は視覚的にも目立ち、針に付けた状態で潮を受けると自然に揺れます。
効果を整理すると、次の3段階です。
- 寄せる:撒き餌から広がる成分に魚が反応する
- 足止めする:細かく漂う粒を追わせ、仕掛けの周囲にとどめる
- 食わせる:撒き餌と似た付け餌を針ごと口へ入れさせる
特にフカセ釣りでは、撒き餌と付け餌を同じ潮筋へ入れる「同調」が重要です。撒き餌だけが沖へ流れ、付け餌が手前へ残ると釣果につながりにくいため、投入位置とタイミングをそろえます。
狙える主な魚
クリルは海の食物連鎖に関わる餌なので、対象魚が非常に幅広いのが特徴です。
- 回遊魚:アジ、サバ、イワシ、カツオ類
- 磯・堤防の魚:グレ、チヌ、メバル、カサゴ
- 大型魚:マダイ、イサキ、青物
- 海上釣り堀:マダイ、シマアジなど
ただし、餌取りのフグや小魚も反応します。投入直後に餌がなくなる場合は、身の締まった加工クリルへ替える、2匹を抱き合わせにする、撒き餌を少し離れた場所へ打って餌取りを分散させる、といった工夫が有効です。
釣り方に合わせたクリルの選び方
付け餌なら粒の形と身持ちを確認
付け餌用では、粒が崩れておらず、針に刺したときに外れにくい商品を選びます。生タイプは自然な柔らかさがある一方、遠投時や餌取りが多い場面では外れやすくなります。糖類などで身を締めた加工品は比較的形を保ちやすく、初心者にも扱いやすいタイプです。
選ぶ際は、パッケージの「S・M・L」などの表示を確認します。サイズ規格はメーカーごとに異なるため、針とのバランスを見ることが大切です。目安として、小アジや小型グレには小粒、チヌやマダイには中粒から大粒が使いやすいでしょう。
撒き餌なら粒の残り方と配合を選ぶ
冷凍オキアミブロックは、解凍してそのまま撒くほか、配合餌と混ぜて使います。配合餌を加えるとまとまりを調節しやすくなり、狙った距離へ投げやすくなります。
- 表層から中層を狙う:軽くばらける配合にする
- 深場や潮が速い場所:まとまりを持たせ、沈みやすくする
- 遠投したい:水分を少しずつ加え、握って崩れない硬さへ調整する
水を一度に入れると柔らかくなりすぎます。海水は少量ずつ加え、混ぜた後に数分置いて硬さを確認してください。商品ごとに吸水量が違うため、パッケージ記載の配合量を優先します。
用途が「集魚剤」の商品にも注意
クリル粉末やクリルエキスは、単体を針へ付ける餌ではありません。配合餌、練り餌、ワームなどへ風味を加えるための商品です。持ち運びやすい反面、粒餌の代わりにはならないため、「付け餌用」「撒き餌用」「添加用」の表示を確かめて購入しましょう。
オキアミやコマセの種類、配合方法をまとめて確認したい方は、オキアミ・コマセ・撒き餌についてさらに詳しく知りたい方はこちらも参考にしてください。
クリルの付け方・解凍方法・保存のコツ
針への基本的な付け方
クリルは尾側から針を入れ、胴の中へ針軸を沿わせると姿勢が安定します。尾羽の硬い部分を少し切ると針を通しやすくなります。
- 尾羽の先端を指やハサミで取る
- 尾側から針先を入れる
- 胴体の曲線に沿って針を通す
- 針先を腹側または背側へ出す
小型魚には1匹掛け、大きく見せたい場合は2匹を向かい合わせる抱き合わせが使えます。遠投するときは針先だけで支えず、クリルの胴を針軸へ沿わせて空気抵抗を減らしてください。
冷凍ブロックは半解凍から崩す
冷凍クリルを急いで直射日光へ置いたり、熱い湯をかけたりすると、表面だけが傷みやすくなります。釣行前からバッカンやクーラーボックス内でゆっくり解凍するのが基本です。気温やブロック重量で必要時間は大きく変わるため、完全解凍の時刻を固定せず、中心が少し凍った半解凍の段階から砕きます。
当日に急いで解凍する場合は、袋を閉じたまま水へ浸けます。海水や水道水をオキアミへ直接大量にかけると、うま味成分が流れたり、撒き餌の水分量が狂ったりするため注意が必要です。
再冷凍と持ち帰りの注意点
一度解凍して長時間外気にさらしたクリルは、品質が落ちやすいため再冷凍を避けるのが無難です。必要量だけ小分けして持参し、残りは凍った状態で保管しましょう。
- 移動中は保冷剤を入れたクーラーボックスを使う
- 付け餌は小型ケースへ分け、使う分だけ取り出す
- 変色、強い腐敗臭、著しい軟化があるものは使用しない
- 余った餌を海や堤防へ放置しない
- 使用後のバッカンやひしゃくは早めに水洗いする
釣り場によっては撒き餌が禁止または制限されています。漁港、管理釣り場、海釣り公園のルールを事前に確認し、禁止場所では付け餌だけを使うなどの対応が必要です。
まとめ:釣り餌クリルは用途と形状で選ぶ
釣り餌クリルは、オキアミを粒のまま使う餌だけでなく、粉末、エキス、乾燥品まで含む幅広い商品名です。付け餌には形が整った粒タイプ、撒き餌には冷凍ブロック、配合餌の補助には粉末やエキスを選びましょう。
つまり、クリル選びで重要なのは「何の魚を、どの釣り方で狙うか」に合わせて、粒・ブロック・添加剤を使い分けることです。
オキアミは釣り餌の王道。ブロックや配合コマセの種類を見比べて選びましょう。

