釣り餌として使われるエビには、オキアミ、アミエビ、シラサエビ、ウタセエビ、冷凍むきエビなど複数の種類があります。見た目は似ていますが、得意な釣り方や狙える魚、扱いやすさは同じではありません。
結論からいうと、幅広い魚を狙うならオキアミ、サビキ釣りならアミエビ、活き餌の動きで誘うならシラサエビが基本です。大物狙いや船釣りでは、大きな海エビや冷凍エビが活躍します。この記事では、釣り餌に使うエビの種類と選び方を具体的に解説します。
釣り餌に使う主なエビの種類を比較
最初に、代表的なエビ餌の違いを一覧で確認しましょう。以下の順位は、対象魚の広さ、入手しやすさ、初心者の扱いやすさを基準にした総合的な目安です。
| 順位 | 種類 | 主な状態 | 適した釣り方 | 主な対象魚 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | オキアミ | 冷凍・生・ボイル | ウキ釣り、フカセ、カゴ釣り | グレ、チヌ、マダイ、アジ | 汎用性が高く、付け餌と撒き餌の両方に使える |
| 2位 | アミエビ | 冷凍・常温加工品 | サビキ釣り | アジ、イワシ、サバ | 主に撒き餌として魚の群れを寄せる |
| 3位 | シラサエビ・モエビ | 活き餌 | ウキ釣り、探り釣り、エビ撒き釣り | スズキ、メバル、チヌ、ハネ | 自然な動きによるアピール力が高い |
| 4位 | ウタセエビなどの海エビ | 活き・冷凍 | 船釣り、ひとつテンヤ、胴突き | マダイ、ヒラメ、青物、根魚 | 大型魚を狙いやすいが、地域や季節で流通差がある |
| 5位 | 冷凍むきエビ | 冷凍・ボイル | ちょい投げ、穴釣り、胴突き | カサゴ、ベラ、ハゼ、クロダイ | 保存しやすく、必要な大きさに切って使える |
なお、「オキアミ」は分類上、一般的なエビとは異なる甲殻類です。しかし、釣具店では代表的なエビ系の餌として扱われているため、釣り餌を選ぶうえでは同じグループとして考えて問題ありません。
釣り餌エビの種類別の特徴と狙える魚
オキアミ|迷ったときに選びやすい万能餌
オキアミは、海釣りで最も幅広く使われる餌のひとつです。グレやチヌを狙うフカセ釣りでは、針に刺す付け餌と魚を寄せる撒き餌の両方に利用されます。カゴ釣りでは、アジ、サバ、イサキ、マダイなども狙えます。
商品には生タイプ、ボイルタイプ、味や色を加工したタイプがあります。食い込み重視なら柔らかい生タイプ、餌持ち重視ならボイルや加工タイプが目安です。サイズ表記はS・M・L・LLなどですが、基準はメーカーによって異なります。小型魚には2~4cm程度、大型のチヌやマダイには4~7cm程度を目安にすると選びやすいでしょう。
半日程度の釣りなら、付け餌用として150~500g前後の商品が一般的です。撒き餌に使う場合は、3kg前後の冷凍ブロックを配合餌と混ぜる方法があります。必要量は釣行時間や投入頻度、潮の速さによって大きく変わります。
アミエビ|アジやイワシのサビキ釣り向け
アミエビは非常に小さく、通常は1匹を針に刺すのではなく、サビキ釣りのカゴに詰める撒き餌として使います。水中で細かく広がり、アジ、イワシ、小サバなどの群れを足止めできるのが特徴です。
冷凍ブロックは集魚力と量のバランスに優れていますが、解凍する時間と容器が必要です。チューブや袋に入った常温保存タイプは、手を汚しにくく、短時間のファミリーフィッシングに向いています。2~3時間程度なら小容量、半日釣る場合や複数人で使う場合は大容量を選ぶと途中で不足しにくくなります。
シラサエビ・モエビ|活きた動きで魚を誘う
シラサエビやモエビは、主に淡水域に生息する小型のエビを指す流通名です。名称や扱われる種類は地域によって異なり、関西ではシラサエビを使ったエビ撒き釣りがよく知られています。
体長はおおむね2~5cm程度で、スズキ、ハネ、チヌ、メバル、カサゴなどが対象です。活きたまま泳ぐため、魚の反応が鈍い状況でも自然にアピールできます。一方で、高温や酸欠、水温の急変に弱い点には注意が必要です。
運搬には水を入れたエビクーラーと電池式エアーポンプを使います。夏は直射日光を避け、保冷剤を容器へ直接入れず、外側から穏やかに冷やしてください。急激な温度変化を避けることが、弱らせないための基本です。
ウタセエビなどの海エビ|マダイや大型魚に強い
ウタセエビは、地域の船釣りなどで使われる海産のエビ餌の呼び名です。サルエビ、シバエビなどが餌として流通する場合もあり、名称や入荷状況は地域によって変わります。
5~10cm程度の大きさがあれば、マダイ、ヒラメ、ハタ類、青物などの大型魚にも存在感を示せます。活きエビを使う釣りでは、船宿が餌を用意している場合と、持参が必要な場合があります。予約時に餌の種類、料金、持参の要否を確認しておきましょう。
冷凍むきエビ・ボイルエビ|保存性と手軽さが魅力
釣具店の冷凍エビや、市販の無加熱むきエビを餌として使う方法もあります。必要な大きさへ切り分けられ、カサゴ、ベラ、ハゼ、クロダイなどを狙う胴突き釣りや穴釣りに便利です。
柔らかくて針から外れやすい場合は、少量の塩をまぶして水分を抜くと身が締まります。ただし、塩で硬くしすぎると食い込みが落ちることもあるため、まずは30分程度から状態を確認してください。加熱済みのエビは身崩れしにくい一方、生タイプより匂いが弱い場合があります。
釣り方と対象魚に合ったエビ餌の選び方
サビキ釣りならアミエビを選ぶ
堤防からアジやイワシを狙うなら、最初の候補はアミエビです。カゴの目が大きすぎると一度に流出するため、餌の粒とカゴの網目を確認します。潮が速い場所では、放出量を調節できる蓋付きカゴも便利です。
ウキ釣りやフカセ釣りならオキアミを選ぶ
グレ、チヌ、マダイを狙うならオキアミが基本です。針の軸が大きく見えないよう、餌と針のサイズを合わせます。針の号数は種類ごとに規格が異なるため、数字だけで判断せず、パッケージに記載された対象魚と餌サイズを確認しましょう。
魚の活性が低いときは活きエビを検討する
魚が餌を追わないときは、シラサエビなどの動きが有効な場合があります。特にウキ釣りでは、弱っていないエビを使うことが重要です。エビが底で動かない場合は、水温、酸素量、針の刺し方を見直します。
餌取りが多い場所では餌持ちを優先する
小魚にオキアミをすぐ取られるときは、ボイルオキアミ、塩締めエビ、大きめの冷凍エビが選択肢です。ただし、餌を大きくしすぎると小型魚が食い込めません。反応を見ながら、長さを5~10mm単位で切り詰めると調整しやすくなります。
エビ餌の付け方と保存で失敗しないポイント
オキアミは尾から針を入れる
基本は尾羽を少し切り、切り口から針先を入れて、胴体に沿わせるように刺します。針先をわずかに外へ出すと掛かりを優先でき、餌の中へ隠すと自然な見た目になります。遠投する場合は、頭部が外れやすいため、頭を取って胴体だけを使う方法もあります。
活きエビは弱らせない場所へ浅く刺す
活きエビは、尾に近い部分へ刺す尾掛け、背中側へ浅く刺す背掛けなどが基本です。深く刺しすぎると弱りやすいため、殻をすくうように掛けます。針を付けた後に脚や触角が動いているか確認しましょう。
冷凍餌は使う分だけ解凍する
冷凍オキアミやアミエビは、完全に温まると傷みやすくなります。釣行前に半解凍にし、現地ではクーラーボックスや保冷バッグに入れてください。一度解凍して長時間常温に置いた餌は、品質が低下するため再冷凍を避けます。
活きエビを別の河川や湖へ放すと、生態系へ影響する可能性があります。余った餌は購入店や自治体の案内に従って処分し、釣り場へ捨てないことも大切です。
タイプ別に選ぶおすすめの釣り餌エビ
- 初心者・万能性重視:生または加工オキアミ。堤防から磯まで幅広く使えます。
- 予算と量を重視:冷凍アミエビ。サビキ釣りで複数人が使う場合に向いています。
- 手軽さ・保存性重視:常温タイプのアミエビ、冷凍むきエビ。短時間の釣行にも便利です。
- 食い込みと動きを重視:シラサエビなどの活きエビ。エアーポンプを用意できる人向けです。
- マダイや大型魚狙い:ウタセエビなどの大きな海エビ。船宿や現地釣具店への事前確認が必要です。
- 餌取りへの強さ重視:ボイルオキアミや塩締めした冷凍エビ。柔らかい生餌と使い分けましょう。
釣り餌のエビは、種類そのものの優劣ではなく、釣り方、対象魚、餌の大きさ、保存環境との相性で選ぶことが重要です。最初はオキアミまたはアミエビを基準にし、魚の反応や餌取りの状況に応じて活きエビや冷凍エビへ切り替えると失敗を減らせます。
エビ餌の選び方や対象魚、使い方を横断的に確認したい方は、エビ餌についてさらに詳しく知りたい方はこちらも参考にしてください。
エビ餌は種類が豊富で、狙える魚も幅広いのが魅力。冷凍・活きの使い分けを見比べてみてください。

