イカは身に弾力があり、海中でも外れにくい優秀な釣り餌です。さらに塩漬けにすると余分な水分が抜け、生の状態よりも針持ちと携帯性が向上します。
作り方の基本は、イカの重量に対して20〜30%の塩を使い、冷蔵庫で6〜24時間置くことです。ただし、塩の量や漬け時間によって硬さが変わるため、対象魚や釣り方に合わせた調整が必要です。
この記事では、初めてでも失敗しにくい釣り餌用イカの塩漬けの作り方を、具体的な分量と手順に沿って解説します。なお、完成品は釣り餌専用です。人やペットの食品と混同しないように管理してください。
釣り餌用イカを塩漬けにするメリット
イカを塩漬けにする主な目的は、保存性だけではありません。塩によって身から水分が抜けると繊維が締まり、針に付けたときに裂けにくくなります。
- 針持ちがよくなる:キャスト時や餌取りの攻撃で外れにくくなる
- 短冊を作りやすい:身が締まるため、細長く均一に切りやすい
- 持ち運びやすい:生イカよりドリップが出にくく、釣り場で扱いやすい
- 小分け保存できる:1回分ずつ冷凍して必要な分だけ持ち出せる
塩漬けイカは、タチウオのウキ釣りやテンヤ、根魚狙いの胴突き仕掛け、カサゴ・アナゴ・ウツボなどの餌に利用できます。短冊をひらひら動かせば、匂いだけでなく視覚でも魚にアピールできます。
塩の量と仕上がりの違い
| 塩の量 | 漬け時間の目安 | 仕上がり | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| イカ重量の15〜20% | 6〜12時間 | やや柔らかく動きが出やすい | 近距離のウキ釣り、食い込み重視 |
| イカ重量の20〜30% | 12〜24時間 | 硬さとしなやかさのバランスがよい | 胴突き、テンヤ、投げ釣り |
| イカ重量の40〜50% | 12〜24時間 | かなり硬く締まる | 遠投、餌取りが多い場所 |
最初は扱いやすい20〜30%がおすすめです。例えばイカ300gなら、塩60〜90gが目安になります。塩を増やせば必ず長期保存できるわけではないため、完成後は冷凍保存を基本にしましょう。
イカの塩漬け作りに必要な材料と道具
材料
- イカ:300〜500g程度
- 食塩:イカ重量の20〜30%
- キッチンペーパーまたは厚手のペーパー
- 冷凍保存袋
イカはスルメイカ、ヤリイカ、ケンサキイカなどで作れます。釣果として持ち帰ったイカだけでなく、スーパーの加熱用イカや冷凍イカも使用可能です。刺身用の高価なイカを選ぶ必要はありません。
塩は一般的な食塩で十分です。粒が大きい塩は表面に偏りやすいため、全体へ均等にまぶしてください。砂糖やうま味調味料を混ぜる方法もありますが、まずは管理しやすい塩だけで作るのが基本です。
道具
- デジタルキッチンスケール
- 包丁とまな板
- バットまたは保存容器
- 水切り用の網
- 使い捨て手袋
塩の割合を正確にするため、目分量ではなくスケールを使います。食品用の調理器具を使った場合は、作業後に洗剤でよく洗い、必要に応じて熱湯や台所用漂白剤で衛生管理をしてください。釣り餌専用の容器を用意すると、食品との混同を防げます。
釣り餌用イカの塩漬けの作り方
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1.イカを半解凍して下処理する
冷凍イカは、中心に少し硬さが残る半解凍の状態にします。胴から内臓と軟骨を取り除き、流水で汚れを短時間で洗い流してください。ゲソも餌にできますが、胴と分けて処理すると切りやすくなります。
つまずきやすいポイント:完全に解凍すると身が柔らかくなり、切るときに形が崩れやすくなります。また、長時間水にさらすと水分を吸いやすいため、洗浄は手早く済ませましょう。
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2.表面の水分をしっかり拭き取る
キッチンペーパーで胴の表裏とゲソの水分を丁寧に拭きます。表面に水が残っていると塩が溶けて流れ、均一に脱水できません。
つまずきやすいポイント:ペーパーが濡れたら新しいものへ交換します。特に胴の内側やゲソの付け根は水分が残りやすい場所です。
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3.用途に合わせてイカを切る
汎用性の高い短冊は、幅1〜2cm、長さ5〜10cm程度が目安です。小型の根魚なら幅5〜10mm、長さ3〜5cmほどにします。タチウオや大型魚を狙う場合は、幅2〜3cm、長さ10〜15cm程度の長めの短冊も使えます。
つまずきやすいポイント:塩漬け後は身が縮んで硬くなります。使用時より少し大きめに切るか、胴を板状のまま漬けて完成後に切る方法を選びましょう。板状で漬けると乾燥しにくく、用途に応じて後からサイズを変更できます。
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4.イカの重量を量って塩をまぶす
下処理後のイカの重量を量り、その20〜30%に当たる塩を用意します。イカ400gなら塩80〜120gです。バットの底へ塩の約3分の1を敷き、イカを並べ、残りの塩を両面へ均等にまぶします。
つまずきやすいポイント:イカ同士が重なると、重なった部分だけ脱水が進みにくくなります。重ねる場合は層ごとに塩を振り、全体へ塩が触れるようにしてください。
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5.冷蔵庫で6〜24時間漬ける
容器にふたやラップをして、必ず冷蔵庫へ入れます。柔らかめなら6〜12時間、標準的な硬さなら12〜24時間が目安です。途中で水分が多くたまった場合は一度捨て、上下を返すと均一に仕上がります。
つまずきやすいポイント:常温で放置すると傷みや臭いの原因になります。室温やイカの厚みによって状態が変わるため、時間だけでなく、指でつまんだときの弾力も確認しましょう。
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6.余分な塩と水分を取り除く
漬け終わったら表面の塩を軽く払い、キッチンペーパーで水分を拭き取ります。塩分が強すぎる場合だけ、ごく短時間すすいでから十分に拭いてください。通常は水洗いしないほうが、締まった状態を保ちやすくなります。
つまずきやすいポイント:塩を落とすために水へ長く浸すと、せっかく抜いた水分が戻ります。表面がぬれている場合は、冷蔵庫内で網に載せて1〜2時間乾かすと扱いやすくなります。
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7.1回分ずつ小分けして冷凍する
釣行1回で使う量に分け、できるだけ空気を抜いて冷凍保存袋へ入れます。袋には「釣り餌用」「作成日」「イカの種類」を記載してください。短冊同士の間にラップを挟むと、必要な本数だけ取り出せます。
つまずきやすいポイント:大きな塊のまま凍らせると、全量を解凍することになります。再冷凍を繰り返すとドリップや臭いが増え、身も裂けやすくなるため、小分けが重要です。
塩漬けイカの保存方法と針への付け方
保存期間は冷凍約1か月を目安にする
完成した塩漬けイカは冷蔵庫へ入れたままにせず、すぐに使わない分を冷凍します。家庭用冷凍庫では温度変化や袋内の空気によって品質が落ちるため、約1か月以内を使い切りの目安にすると管理しやすいでしょう。
これは一律の安全性を保証する期間ではありません。強い腐敗臭、通常と異なる変色、糸を引くようなぬめりがあれば使用せず廃棄してください。釣行中もクーラーボックスや保冷剤を使い、直射日光を避けます。
外れにくい針の刺し方
短冊の端から5〜10mmほど内側へ針を刺し、さらに1〜2回縫うように通します。最後に針先を外へ出すと掛かりを妨げにくくなります。遠投する場合は、餌巻き糸を3〜5周ほど軽く巻くとずれを防げます。
イカの皮は裂けにくいため、皮付きの場合は針を皮側から通すのが効果的です。一方、動きを重視する場合は、下半分を縫い刺しせず遊ばせると海中で自然に揺れます。
イカ以外のサバやサンマなどを使った身餌の切り方、塩締め、魚種別の使い分けは、魚の切り身・身餌についてさらに詳しく知りたい方はこちらで確認できます。
よくある失敗と注意点
塩の量を目分量で決める
塩が少なすぎると身が締まらず、多すぎると硬くなって針を刺しにくくなります。下処理後の重量を量り、まずは20〜30%で作りましょう。硬すぎた場合は、次回から塩を5%程度減らすか、漬け時間を2〜4時間短くして調整します。
漬け時間が長すぎてカチカチになる
細い短冊は板状のイカより早く水分が抜けます。幅1cm前後の短冊なら6時間ほどで一度確認し、十分な弾力があれば取り出します。長く漬ければ針持ちは上がりますが、硬すぎる餌は魚がくわえたときの食い込みを悪くする可能性があります。
水分を拭かずに塩を振る
表面の水分が多いと塩水が大量にでき、部分的に塩が薄くなります。洗浄後と漬け込み後の2回、ペーパーで丁寧に水分を取ることが、均一な仕上がりへの近道です。
食品と同じ袋や容器で保管する
釣り餌用に処理したイカは食用に戻さないでください。保存袋へ大きく「釣り餌」と書き、食品とは場所を分けます。使い残した餌や長時間常温に置いた餌も、家庭の冷凍庫へ戻さないほうが衛生的です。
釣り場へ残った餌を捨てる
塩漬けイカや包装袋を海、堤防、漁港へ放置してはいけません。余った餌は密閉袋に入れて持ち帰り、地域の分別方法に従って処分します。漁港や釣り場ごとの利用ルールも事前に確認してください。
釣り餌用イカの塩漬けは、水分を拭く、重量の20〜30%の塩を使う、冷蔵庫で6〜24時間漬ける、小分け冷凍するという4点を守れば難しくありません。対象魚に合わせてサイズと硬さを調整し、針持ちのよい身餌を準備しましょう。
サバやイカの切り身は青物・大物狙いの定番。冷凍餌をストックしておくと便利です。

