泳がせ釣りやノマセ釣りでは、アジやイワシなどの小魚を釣り餌として使います。小魚が自然に泳ぐため、ルアーでは反応しない大型魚を狙えることもあるのが魅力です。
一方で、「どの小魚を選べばよいのか」「どこで入手するのか」「針をどこに刺すのか」と迷う方も少なくありません。釣り餌用の小魚は、対象魚や釣り場の環境に合わせて選ぶことが重要です。
この記事では、釣り餌に使われる小魚の種類、適したサイズ、入手方法、保存方法、針への付け方を分かりやすく解説します。
釣り餌に使う小魚とは?狙える魚と基本的な選び方
釣り餌に使う小魚とは、主にフィッシュイーターと呼ばれる魚食性の魚を狙うための活き餌です。小魚を生きたまま泳がせる方法は、一般に泳がせ釣りまたはノマセ釣りと呼ばれます。
海ではブリ、カンパチ、ヒラメ、スズキ、アオリイカなどが代表的な対象です。淡水ではナマズやウナギなどが対象になりますが、地域によって使える魚や漁具に規制があるため注意が必要です。
小魚は対象魚が飲み込めるサイズを選ぶ
餌の大きさは、狙う魚が無理なく捕食できる範囲を選びます。堤防から青物やヒラメを狙う場合は、全長8〜15cm程度の小魚が扱いやすい目安です。大型の青物を狙う場合は、15〜20cm前後のアジが使われることもあります。
小さな餌は食い込みやすい反面、体力が少なく弱りやすい傾向があります。大きな餌はよく泳いで大型魚へアピールできますが、小型の対象魚には食い込みにくくなります。迷った場合は10cm前後から試し、周囲で釣れている餌の大きさに合わせるとよいでしょう。
釣り餌に適した小魚の種類を比較
活き餌として使われる小魚には、それぞれ異なる特徴があります。釣り場に生息する魚を使うと、対象魚に警戒されにくいだけでなく、移動による生態系への影響も抑えられます。
| 小魚の種類 | サイズの目安 | 主な対象魚 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| アジ | 8〜15cm | 青物、ヒラメ、スズキ、アオリイカ | 比較的丈夫で泳ぎが強く、幅広い釣りに使いやすい |
| イワシ | 7〜15cm | 青物、ヒラメ、根魚 | 集魚力が高いが、うろこが取れやすく弱りやすい |
| サバ | 10〜20cm | 大型青物、ヒラメ、根魚 | 活発に泳ぐためアピール力が高い |
| キビナゴ | 5〜10cm | 根魚、タチウオ、青物 | 活き餌のほか、冷凍餌としても使われる |
| ハゼ類 | 5〜12cm | ヒラメ、マゴチ、スズキ | 海底付近を狙う釣りと相性がよい |
| 小ブナ・モツゴ類 | 5〜12cm | ナマズ、ウナギなど | 淡水向け。使用や移動に関する地域の規則確認が必須 |
初心者には丈夫な小アジが扱いやすい
初めて泳がせ釣りに挑戦するなら、小アジが有力な選択肢です。イワシよりも体表が傷つきにくく、適切に管理すれば針に付けた後も泳ぎやすいからです。サビキ釣りで現地調達しやすいことも利点です。
ただし、釣り場によってはアジが回遊していないことがあります。餌を確実に用意したい場合は、活き餌を扱う釣具店や餌店へ事前に在庫を確認しましょう。
釣り餌用の小魚を入手する3つの方法
1.サビキ釣りで現地調達する
堤防では、サビキ仕掛けを使ってアジ、イワシ、小サバなどを釣り、そのまま泳がせ釣りの餌にできます。現地にいる小魚なので水温差が生じにくく、対象魚が普段捕食している可能性が高い方法です。
餌を確保する場合は、泳がせ釣り用とは別にサビキ竿、仕掛け、コマセ、バケツを準備します。一度に必要以上の数を釣らず、まずは5〜10匹程度を目安に確保すると管理しやすくなります。餌用であっても、釣り場ごとの採捕ルールや魚種別のサイズ制限は守らなければなりません。
2.釣具店や活き餌店で購入する
店舗では小アジ、ウグイ、銀兵などが販売されることがあります。在庫や取扱魚種は季節と地域で異なるため、来店前に電話や公式サイトで確認するのが確実です。
購入時は、使用する釣り場、海水か淡水か、希望する魚の大きさを店員に伝えましょう。海水魚を淡水へ入れるなど、異なる環境では生かしておけません。
3.通販で取扱状況を確認する
通販でも活き餌や冷凍小魚を探せますが、生体は配送地域、受取日時、最低注文数などの条件が設けられている場合があります。また、輸送中の状態を保証できない商品もあるため、販売ページの注意事項を確認してください。
当日に届かない場合へ備え、冷凍キビナゴや魚の切り身などの予備餌を用意しておくと安心です。なお、冷凍小魚は保管しやすい一方、自ら泳いでアピールする活き餌とは使い方が異なります。
小魚を弱らせない保存・持ち運びのコツ
小魚は酸素不足、水温上昇、過密、手で触れることによるダメージで弱ります。元気に泳がなければ活き餌としての効果が落ちるため、仕掛けだけでなく保管環境も重要です。
エアーポンプと十分な水量を用意する
持ち運びには、ふた付きの活かしバケツやクーラーボックスと電池式エアーポンプを使います。容器は10〜20L程度あると小アジを管理しやすくなりますが、適正な匹数は魚の大きさ、水温、移動時間で変わります。
10L程度の容器なら、小魚を数匹から始めて様子を見てください。魚が水面で口を開ける、横向きになる、泳ぎが鈍くなる場合は、酸素不足や水質悪化が疑われます。匹数を減らし、釣り場と同じ水を少しずつ交換します。
水温の急変と直射日光を避ける
夏の車内や堤防上では水温が上がりやすいため、容器を日陰に置きます。保冷剤を使う場合は直接水へ投入せず、密閉した状態で少量ずつ使い、急激に冷やさないことが大切です。
水を交換するときも全量を一度に替えず、全体の3分の1程度を目安に徐々に交換します。購入した小魚を釣り場の水へ移す際は、水温差を小さくしてから放すと負担を抑えられます。
小魚を素手で強く握らない
小魚の体表には、病原体や摩擦から身を守る粘液があります。乾いた手で触れたり強く握ったりすると、うろこや粘液が傷つきます。小型ネットですくい、手で扱う場合はあらかじめ手を水でぬらしましょう。
小魚の針への付け方と使い分け
活き餌の付け方には、鼻掛け、背掛け、上あご掛けなどがあります。針を深く刺しすぎると内臓や背骨を傷つけるため、硬い部分や皮を浅く通すのが基本です。
鼻掛け
鼻付近の硬い部分へ針を横方向に通す方法です。小魚が比較的自然に泳ぎやすく、投げずに足元へ落とす堤防釣りに向いています。鼻孔そのものではなく、その周囲の硬い組織へ浅く刺します。
背掛け
背びれ付近の皮へ針を浅く通します。小魚が下方向へ逃げようとしやすいため、ヒラメなど海底付近の対象魚を狙うときに使われます。背骨まで針を刺すとすぐに弱るので、背びれの付け根付近を浅く掛けることが重要です。
上あご掛け
口から針を入れて上あごの硬い部分へ抜く方法です。針が外れにくい反面、下あごまで一緒に固定すると口から水を取り込みにくくなる場合があります。遠投すると小魚が弱りやすいため、キャストは強く振り切らず、仕掛けをゆっくり運ぶイメージで投入します。
餌が横倒しになる、泳がなくなる、体表が白っぽく傷むといった状態になったら交換の目安です。ただし、死んだ直後の小魚にも反応する魚はいるため、状況に応じて少し待ってから交換してもよいでしょう。
小魚を釣り餌に使う際の注意点とよくある疑問
別の川や湖へ小魚を持ち込んでもよい?
安易な持ち込みや放流は避けてください。魚そのものだけでなく、病原体や寄生虫、水草などを移動させる可能性があります。都道府県の漁業調整規則、内水面漁場管理委員会の指示、漁協や釣り場独自のルールにより、使用できる餌や魚の移動が制限される場合があります。
余った小魚を釣り場へ放す行為も、購入魚や別の場所で採った魚なら問題になるおそれがあります。購入店や釣り場の管理者へ処理方法を確認し、異なる水域には放流しないでください。
活き餌は何匹用意すればよい?
半日程度の堤防釣りなら、まずは5〜10匹程度が一つの目安です。ただし、餌取りの多さや小魚の弱り方によって消費数は変わります。数を増やしすぎると容器内が過密になり、全ての餌が弱ることもあります。追加で現地調達できるなら、少数ずつ確保する方が管理しやすいでしょう。
小魚が手に入らないときの代用品は?
冷凍キビナゴ、イワシ、サバやサンマの切り身などが代用品になります。活き餌ほど広範囲へアピールしにくいものの、においや魚の脂で根魚、タチウオ、アナゴなどを狙えます。対象魚に合わせ、幅1〜2cm程度の短冊状に切って使う方法もあります。
釣り餌に使う小魚は、釣り場に合う魚種とサイズを選び、酸素量と水温を管理することが成功のポイントです。初心者は8〜15cm程度の小アジから始め、魚を傷つけにくい鼻掛けや浅い背掛けを試してみましょう。
魚種ごとの特徴や活き餌仕掛けをまとめて確認したい方は、魚・小魚の活き餌についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
泳がせ釣りには活き餌が欠かせません。入手しづらい小魚は販売店・通販で確認できます。

