サンマは、強いにおいと脂を持ち、タチウオや根魚、アナゴなどを狙える身餌です。スーパーで入手できる冷凍サンマも利用できるため、専用の釣り餌が手に入らないときにも役立ちます。
ただし、サンマの身は比較的やわらかく、そのまま針に付けると投入時や餌取りの攻撃で外れることがあります。釣果につなげるには、皮を残して切ること、必要に応じて塩締めすること、皮まで確実に針を通すことが重要です。
この記事では、「釣り餌サンマ」の作り方から対象魚別のサイズ、付け方、保存方法まで分かりやすく解説します。
釣り餌にサンマを使うメリットと狙える魚
脂とにおいで魚に存在を知らせやすい
サンマは脂を含む青魚で、切り身にすると断面からにおいや脂が広がります。視界が悪い夜釣りや、水深のある場所で行う底釣りでも、餌の存在を魚に知らせやすいのが特徴です。
銀色に光る皮も残せるため、においだけでなく視覚によるアピールも期待できます。特にタチウオ釣りでは、細長く切った身を動かし、魚のように見せて使えます。
サンマ餌で狙いやすい主な魚
- タチウオ:ウキ釣り、テンヤ、探り釣り
- アナゴ:夜間の投げ釣り、ぶっ込み釣り
- カサゴ・ソイ:胴付き仕掛け、穴釣り、船の根魚釣り
- アイナメ・キジハタ:底付近を狙う探り釣り
- ハタ類や大型根魚:船釣り、泳がせ仕掛けの代用となる身餌
釣り場や地域によって魚の食性は異なるため、サンマだけに絞らず、サバやイカなども用意して反応を比べると効率的です。
サンマ・サバ・イカ・キビナゴの違いを比較
身餌は、種類によってにおいの強さや針持ちが異なります。サンマの特徴を理解し、狙う魚や釣り方に合わせて選びましょう。
| 餌の種類 | におい・脂 | 針持ち | 主な用途 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| サンマ | 強い | やや弱い | タチウオ、アナゴ、根魚 | 銀皮の反射と脂でアピールしやすい |
| サバ | 強い | 比較的よい | 根魚、青物、深場釣り | 皮が丈夫で大きな切り身にも向く |
| イカ | 中程度 | 非常によい | 根魚、マダイ、青物 | 外れにくく餌取りに強い |
| キビナゴ | 中程度 | 弱い | タチウオ、根魚 | 魚の形を残したまま使いやすい |
サンマはサバより身が崩れやすい一方、細長い短冊に加工しやすい餌です。遠投や速い潮の中で使う場合は、塩締めや餌巻き糸による補強を行いましょう。針持ちを最優先するならイカ、においと皮の強度を両立したいならサバも有力です。
釣り餌サンマの作り方と塩締めの手順
半解凍の状態で切る
冷凍サンマは完全に解凍せず、包丁が通る程度の半解凍で加工します。身が締まっているため形が崩れにくく、一定の幅に切りやすくなります。
基本的な手順は次のとおりです。
- 頭を落とし、腹を開いて内臓を取り除く
- 流水を使いすぎず、血や汚れをキッチンペーパーで拭く
- 三枚におろすか、中骨に沿って左右の身を切り取る
- 皮を付けたまま、狙う魚に合う大きさへ切る
腹側は脂が多い反面、身がやわらかく崩れやすい部分です。針持ちを重視する場合は背側を使い、腹側は餌巻き糸で補強すると無駄なく利用できます。
対象魚に合わせた切り身サイズの目安
- タチウオ:長さ8〜12cm、幅1〜1.5cmの細長い短冊
- カサゴ・ソイ:長さ3〜5cm、幅1〜2cm
- アナゴ・アイナメ:長さ4〜7cm、幅1〜2cm
- 大型根魚:長さ6〜10cmを目安に厚めに切る
大きすぎる餌は針先が隠れやすく、小さすぎる餌はアピール力と針持ちが低下します。まずは上記のサイズから始め、アタリがあるのに掛からない場合は1〜2cm短くしてください。
塩締めで針持ちをよくする
サンマの切り身に塩を振ると、余分な水分が抜けて身が締まります。塩の量は、切り身の重さに対して10〜15%程度が扱いやすい目安です。
- 容器や保存袋にサンマの切り身を並べる
- 全体へ均一に塩を振る
- 冷蔵庫で30分〜2時間ほど置く
- 出てきた水分をキッチンペーパーで拭き取る
- 1回分ずつ小分けして冷蔵または冷凍する
長時間塩に漬けると硬くなりすぎ、自然な動きが出にくくなる場合があります。当日使うなら30分〜1時間、遠投や餌取り対策を重視するなら1〜2時間を目安に調整しましょう。
サンマの切り身を針から外れにくくする付け方
皮側へ確実に針を通す
サンマ餌は、身だけに針を通すと簡単に裂けます。針先を身側から入れ、最後に丈夫な皮を貫通させるのが基本です。短冊の端から5〜10mmほど内側へ刺すと、端がちぎれるのを防ぎやすくなります。
タチウオ用の長い短冊は、上部を縫うように2回刺す方法も有効です。ただし何度も刺すと餌が丸まり、水中で不自然になります。垂らした部分がまっすぐ動くように整え、針先は必ず外へ出してください。
餌巻き糸を使う場面
遠投するとき、潮が速いとき、餌取りが多いときは、伸縮性のある餌巻き糸で針と切り身を固定します。針の軸を中心に5〜10回程度巻き、切り身がずれない程度に留めましょう。
巻きすぎると切り身が硬い塊になり、動きやにおいの拡散を妨げます。針先や針の曲がり部分を糸で塞がないことも大切です。
アタリがあるのに釣れないときの調整
- 餌の後端だけをかじられる:短冊を1〜2cm短くする
- 投入直後に餌がなくなる:塩締め時間を延ばすか餌巻き糸を使う
- 小魚にすぐ取られる:身を厚めにする、またはイカと組み合わせる
- 反応がない:サンマを小さく切り、新しい断面を出す
- 仕掛けが回転する:切り身を細くまっすぐ整える
購入方法・保存方法とよくある疑問
スーパーのサンマでも釣り餌にできる?
生または冷凍の無塩サンマであれば、釣り餌として使用できます。加熱済み、味付き、かば焼きなどの加工品は身が崩れやすく、調味料も含まれるため避けましょう。
鮮度が落ちたサンマを餌に転用する場合でも、素手で長時間触らず、食品とは分けて保管してください。一度釣り場へ持ち出した餌や常温で長時間放置した餌は、食用へ戻してはいけません。
冷凍保存はできる?
塩締め後のサンマは、1回の釣行で使う量ごとにラップで包み、密閉袋に入れて冷凍できます。家庭用冷凍庫では乾燥や酸化が進むため、品質を保ちやすい保存期間の目安は約1か月です。
袋の中の空気をできるだけ抜き、作成日を書いておくと管理しやすくなります。釣行前日は冷蔵庫へ移し、半解凍の状態で持参すると扱いやすいでしょう。再冷凍を繰り返すと水分が抜け、身割れやにおいの変化につながるため避けます。
余ったサンマ餌は海へ捨ててもよい?
余った餌や内臓、包装材を釣り場へ放置してはいけません。密閉袋に入れて持ち帰り、自治体の分別ルールに従って処分します。また、釣り場によっては使用できる餌や撒き餌に制限があります。管理者や漁協のルールを事前に確認してください。
まとめ|サンマ餌は皮を残し、塩締めと付け方を工夫しよう
サンマは、脂のにおいと銀色の皮でアピールでき、タチウオ、アナゴ、カサゴなど幅広い魚に使える身餌です。半解凍で皮を残して切り、必要に応じて重量の10〜15%程度の塩で30分〜2時間締めると、扱いやすくなります。
針に付けるときは皮まで確実に通し、針先を露出させるのがポイントです。遠投や餌取りが多い状況では、餌巻き糸を5〜10回程度巻いて補強しましょう。サンマで反応が乏しいときは、サバやイカとの使い分けも効果的です。
魚の切り身ごとの特徴や対象魚、加工方法を比較したい場合は、魚の切り身・身餌についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
サバやイカの切り身は青物・大物狙いの定番。冷凍餌をストックしておくと便利です。

